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大震災における行政相談委員活動

 

松阪太賀志
(神戸市灘区)

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平成7年1月17日午前5時46分、誰もが予想もしなかった大震災が阪神・淡路地区を襲いました。
私が住む味泥地区(神戸市灘区)も例にもれず、家屋の倒壊、近辺の鉄道の大破と大打撃を受け、私の家は「全壊」と判定されました。
このような中で、行った委員活動について報告します。
?@ 情報収集活動
一時は、近隣の人達 230人と一緒に近くの自治会館に避難しましたが、指定避難所でなかったため、救援物資や情報の不足で苦労しました。私自身が集めた情報を避難者に提供しました。災害時には、先ず情報提供方策が急務だと感じました。
?A 避難所生活における苦情処理活動
避難所で少し落ち着いてくると、「風呂に入りたい」または、「住宅はどうなるのか」といった要望・苦情が出始めました。
風呂については、自衛隊に要望して設置するという返事はあったが、何しろ20m四方もある巨大なもので、近隣に設置できる適当な場所がないため、実現しませんでしたが、区住民からお礼を言われたのが救いでした。
このような中、3月初め近畿管区行政監察局・兵庫行政監察事務所では合同相談所を被災地で開きたいが、適当な場所がなく困っているとの話を聞きました。近所の避難所となっている西灘小学校の玄関ロビーで開催できないかと提案し、その足で小学校長に話をしたところ、 800人もいる避難者のためになるらと快諾されました。局・所が準備を進める一方で、私も区役所に交渉して 2,000枚のビラを作成し、各町内会を通じ配布してもらうなどPRを積極的に行いました。その結果、4月20日、21日の2日間で 300件を超える相談実績を上げることができ、微力ながら地区住民のお役に立てたのではと思います。
?B 復興活動
震災後1ヵ月を経過し、住民も落ち着きを取り戻し、「待ちの姿勢」では行政は動いてくれないので、地区住民と共に「地区復興委員会」を結成し、私は委員長として神戸市と折衝を行い、2月16日、神戸市から味泥地区を重点復興地域に指定され、市と地区双方の協力で復興が進められることとなりました。
高齢者も含めた経済的な援助策等、まだまだ問題は山積みしていますが、1日も早い復興を願い精力的に活動しています。今後、神戸を問わず、二度とあっては欲しくない災害ですが、他地区の皆様の防災に対する活動の一助になれば幸いです。

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西灘小学校での震災なんでも相談所

(平成7年度全国行政相談委員代表者会議における体験発表から)

 

 

 

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